久しぶりに聴いた。andymoriの曲だ。この曲をよく聴いていたときから、だいたい5年以上が経つ。
自分の中身がそっくり入れ替わったみたいだ。5年。人間が別人になるのに充分すぎる期間。あのときの気分というか感覚を、中々言い表すことができない。あえて言うと、透明だった、そんな感じだ。透き通っていた。あんまり世の中のことを知らなかったし、ただ目の前の快楽を追い求めていた。ただ、今が楽しいことこそが全てで、時間はもはや経過しないものだと思えていた。ずっと頭の上に風が吹いていて、季節はずっとずっと、秋口だった。夏が終わった感覚がいつまでもずっと続いていて、『すごい速さ』を流しながら、夜の国道171号線を疾走していた。
こう表現するのは気恥ずかしいけど、とにかく駆け抜ける青春だった。あとの時間と前の時間が蒸発しそうになって、時が進み続けて永遠に続いていく感覚。
身体の形もリズムも変わっている。ロックンローラーは、昔の曲を一体どんな気持ちで歌うのだろうか?色も風も変わっているだろうに。けど、音は意外と一定なのかもしれない。見えないビートがひそんでいるのだ。
まさに、あのときは丸一日ぜんぶ無駄にしてしまっていた。とはいえ、今もわりとそうなのかもしれない。見せかけは忙しいけれど、実は安いウイスキーを飲んだくれていることに近いのかもしれない。
飛び出すぞ!もう少し!