書くこととで輪郭が保たれる

書くことで輪郭が保たれる。いや、書くことのみで自分の枠組みが確定される。

ボーッとする。どんどんよくわからない考えが生成される。大体、そこにズズズ、と引き摺られる。その後、身体と意識が離れていく感覚になる。どんどん脳内だけが加速していく。身体が置いてけぼりになる。オブセッション、という英単語があるが、まさにそれ。囚われる。動けなくなる。

けれど、書くことでその楔が解ける。より正確に言うと、書くことでのみ解放される。魂が自由になる。身体の中にきちんと意識が入り込む。安定。何かを書いているときだけが、何よりも自由だ。どんなに苦しくったって、書くことで救われてきた。ノートに書き連ねる。ひたすらデジタルメモにズラーっと書く。自分の意識が、もう一度頭の上から降りかかって手足の先まで浸透していく感覚。きちんと一体化する。

ほかの人が何を喜びにしていきているのか、正直わからない。全然わからないかもしれない。感覚がどこまでおんなじなのかも、わからない。全然違うと思えば、意外と同じこと感じてたりするし、よくわからない。けれど、最近ちゃんと働いてみたり、いろいろやってみるなかで「恐らくこんな感じだろうな」というレベルで、数多くの人の喜びとかがうっすら見えてきた。けれど、それは白いベール越しになんとなくわかるものでしかない。

書くことでのみ、魂の中に芯がぶっ刺さる。膜なんてない。全部がビビッドで、全部生で、全部世界だ。そんな感覚。だから、まあ、自分の喜びのためにひとまずは全力を尽くすしかない。ほかの人のそれが全然わからなくて困った気分にもなるけれど、みんな大体似た感じで、意外と全然違っていて、その中で俺はメッチャ楽しくやるか、という気持ちだ。