歯を抜いた

上の親知らずを抜いた。結局、昔から行きつけの歯医者で、抜いた。気軽にスポッと抜けた。「足折れんくてよかったですね。」医者がそう言う。どういうことかというと、普通親知らずの根っこの部分は1本ないし2本なのだが、俺の親知らずは4本脚だったらしい。「こういうとき、途中で折れたりするんですけど、無事抜けてよかったです。折れるとやっかいなので。」それはお前の心の中に留めとけやとも思ったが、「よかったです。」としか言いようがなかった。いやーやばかったけどなんとか耐えた、みたいなノリで歯って抜かれるんだ。軽くね?ギリギリレポート間に合ったね、みたいに言われてもなあ。しかし、ニョキニョキ脚が生えた親知らずは、なんだかたくましかった。我ながら、誇らしい。

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そこからポートライナーに乗って神戸空港に行った。気分転換はしたいけど交通費はかけたくないとき、こうした移動は救いになる。海も見えるし気持ちがいい。別に遠くへ行けなくたって、いいもんな。休みの日は、片道数百円の家出で満足する。このくらいがちょうどいいのかも。

とはいえ、やっぱり遠くへは行きたいな。他人に休みの日を決められるのは腹が立つ。どんどん遠くへ。誰も見たことがない景色を見に。もっとめちゃくちゃに。でも、最近はそんなことをしなくたってもいいようにも思えてきた。ただ、そう思い込もうとしたときに、やはり違う、とも感じる。そして、今までの経験上、自分の中に生まれた違和感は宝石のようなもなので、守り抜かねばならない。そこから、しっかりと楽しくなることができるからだ。

最近のことについて考える。そして、さびしくない、とはどういうことなのかについても考える。遠くへ行けなくたっていい。

けど、やっぱり、遠くに行きたい。