浮いている

電車に乗る。正確に分解すると、立っている。

通路の間で立っている。他が座っている中で、自分だけが立っている。

ふと外を見る。スーッと、滑るみたいに風景が流れていく。浮いているな、と思う。そして、このことがとても素晴らしく思えてくる。高速で動いて、周りの景色が全部流れていく。愉快だ。おもしろくて仕方がない。浮いている。流れている。高速で。多分、動こうとしているから、流れが愉快になっていく。内面が環境と連動している。軽い。春の、軽さだ。どこまで浮けるか。

ひとまず、新快速より速く。