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霧の中にいた。頭がぼうっとしてたまらない。勤務時間は9〜18時なのだが、15時を過ぎたあたりからだんだんダメになってくる。16時でゲームオーバーだ。ハラが減って何も考えられなくなる。ぼうっとする。エクセルに何が買いてあるのかわからなくなる。文書を読んでも頭に入ってこない。メールがずっと上滑りをしている。オフィスのちっさいイスが、ケツに食い込んで、痛い。身体の周りが、モヤに包まれていく。自分の上に手がくっ付いているのか、手のひらの中に自分が存在しているのかがよく分からなくなってくる。何か文章を考えても、打てない。とにかくハラが減ってダメになる。どんどんネガティブになっていく。キュルルと、便器の中にビー玉を落とすみたく、グルグルと落ちていく。
原因はシンプルでただハラが減っているだけではあるのだが、好きなときにそうめんを茹でられないのがもどかしい。気がつけば1日が終わり、1週間が過ぎて、1ヶ月が経つ。特におもしろいことはない。全て業務の範囲内だ。こうして座っている間にも、どこかで変な顔したイルカが飛び跳ねている。おかしなヤドカリがトカゲに襲われたりして、クソデカい屁を、間抜けなおっさんがこいている。そんなときにただ座っている。休みは自由に取れるし、人も良い。とにかく緩い。みんな優しい。けれど、やっぱり俺はジタバタしていたいみたいだ。今日も中国の工場の人と連絡を取った。会社を作るのは凄く怖い。けれど、20代もあとたったの2年しかないわけであり、そしてこの2年は色んなことを我慢して自分を縛ってきたのだし、まあ、これは自分をゆるす時間だったのだと思う。つまりはフルレバレッジを掛けていく所存である。ヌルいことは一切やらない。靄がかかったオフィスから抜け出して、サウナみたいな電車に乗って、ヘトヘトになりながらメシを食う。ここでもう少し踏ん張る。目ん玉がカンカンに照って仕方がない。アクセルを踏みっぱなしにする。そんなイメージを、あえて電車の中ですることがよくある。結局は駅に停まる電車の中で。
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