
初めての、済南。寒い。夜21:45関空発の便に乗って、日付を回る前くらいに着いた。そこからタクシーで宿に泊まって、朝5時に起きて向かうは成都。初めて来た街なので、ただ寝て起きるだけ。俺が知っている済南は、空港までの無料送迎バスから見た薄暗い景色だけだ。
関空から飛ぶ飛行機。離陸して、アナウンスと共に消灯される。外からは大阪の光が差し込んできて、1つ空けておじいちゃんが座っている。飛んで、いる。飛んでいる、ということが、電気が無いことによってよくわかる。夜行バスで大阪から東京に行くのは凄く大変だ。遠いな、と思う。それよりも遠いはずの中国だけども、飛行機に乗っていれば数時間で着いてしまう。なんだか、変な感じだ。大阪の南部にいたはずなのに。飛行機から降りると、異国なのだ。
成都。一旦ホテルに行って、仮眠。起きて、90分以上地下鉄に乗ってやっとこさ会場に着く。ひたすら勉強。試験まで1ヶ月もない。開場して、スタンディングのフロアでもひたすら参考書を、読む。
一旦全部堪えて言う。やはり、もっと己の欲望に正直になるべきだ。求めているものには一直線で向かった方が、よい。真面目に。あんまり回り道をしている時間というのも、ない。別にビジネスで成り上がりたいかというと、そうでもない。100億とか別にいいわって感じ。やっぱり、内臓を剥き出しにして、みんなを壊したい。学生のときから抑えてきたけれども、結局、そこなのだ。
中途半端に抑えてしまう癖、というのが今の所かなりのボトルネックになっている。止まっているホテルのシーツが痒い。変な匂いがする。癖。帰るときも別にどこにも寄らずにまっすぐホテルに戻った。みんなどうやってカネコのこと知ったのだろう。中国ってGoogle使えないからYouTubeも多分見れないよな。そんなことを、隣の人にサラッと聞いてみればよかったものの、誰とも喋らずに出てしまった。自分が嫌になるけど、今はモード的にはグッと内に籠もってしまっている時期だから、どうしようもない。人と関わりまくってる時期とか、無駄にガソリンを燃やして燃費悪く走っている感じが凄くする。でも、めっちゃラッキーなことが起きるのってたいていそういう時期なので、そちらにチューニングしていかねば、という感じだ。
けど、なぜ今は籠っているのかというと、奥底では身体がそうしたがっているからだ。外と関わるのは楽しい。物凄い刺激だ。それを繰り返すだけで充実した1日になってしまうし、なんだかドンドン凄くなっている感じになる。実際そっちの方が好きだし、そうなるべきだと思う。けれど、今は違う。言うなれば深くかがみ込んで、力を込めてジャンプするあの瞬間。旅、遠出、冒険好きの自分が外国に来て、何も見ずに帰るってのは本当に今までからするとあり得ないことで、大抵はテンションも上がって適当に現地の人と話したりしてサイコ〜って気分になって、帰っている。でも、多分旅の持つそういう格好マジで充実してるけど実はジャンキー、てところを警戒しているのだろう。20〜23歳のときとか、もうそういった刺激にハマりまくり、自分という細胞が入れ替わって超楽しい!人生最高!って心の底から思っていたけれど、まあ有る程度歳を重ねたわけで、そこからの変化ってものの為にブレーキが掛かっている。
とはいえ、だ。やはり、本心はアクセルを踏みまくり、そしてカンペキに踏み抜くことなのだ。今といういましかない時期にやれることは、今まで楽しくてやってきて、なんか違うかもと思って立ち止まってみていたことを、もう一度、今度はシフトレバーをまず完全にヘシ折り、そしてエンジンの暖気なども考えずにいきなり床に着くまで、アクセルを踏み"抜く"ことなのだ。
"ムチャクチャ"を、真実の温度でやり抜く。とりあえず、とかじゃなくてそれがマジってやつになる密度だ。本当に日本からわざわざ飛んで誰とも交流せずライブ会場行って帰ってるの、ウケる。こんなん自分じゃないなって自分でも驚く、ヤバすぎる。けど、これもまあ1つのリアルであるわけで、そしてそれもより高く跳ぶ為の準備だったりする。
繰り返すが、中途半端が一番ダメだ。ブレーキを根本からポキンと折り切って後は一切何も考えずにアクセルを踏み抜く。正直、あまりにも怖い。恐らく意思決定としては誤りだ。けれども、やる。その為に、今は屈んでいるわけだから。2週間後が、そのときだ。
一切、何も考えない。