2024-06-01から1ヶ月間の記事一覧

老婆の鞄から茶がこぼれた

駅のイスに座っていた。TOEICの問題集を解く。あまりにも、つまらない。砂の上でペンを走らせているみたいだ。書きつけることはできない。最初はくっきりとしていた輪郭は、曖昧になる。埋まっていく。 丸テーブル、イス、イス、イスという配置だ。ふと、老…

「コミュ力」を持て囃しても仕方がない

コミュニケーション能力が大切だとお題目のように、教育現場でも唱えられたりする。そうした能力が高い人をコミュ力お化けと呼称したりもする。特に若者の間では。 なんだか、しょうもないなあと思う。社会全体で、そんな能力を持て囃したって仕方がない。も…

誰かの言うこと聞きたくない

ヤバい、あまりにも人の言うことを聞きたくない。 もう尋常じゃない。いや、できる。愛想良くできる。イキらずに立ち振る舞える。でも、息苦しさがハンパじゃない。 フルタイムで働いていると、全然頭が回らなくなる。本はギリ読めるけど、ぼんやりとした考…

ライブに行っても記憶がない

ライブに行ってもあんまし覚えていないな。なんことに気がついたのは、カネコアヤノのビルボードライブの音源を聴いているときだった。 十二月に大阪で行われたビルボードライブ。その場に俺は居合わせており、確かにハンバーガーを食いながら一人で聴いてい…

京都は夢の国だ

今日は用事があって京都に行った。人と会ったりするために。出町柳からバスに乗って歩いたり、自転車を借りて京都駅まで漕いだ。 断言する。京都は夢の国だ。 ミニチュアのような路地。歴史を優しくサンドして立ち並ぶ街屋たち。祇園の煌びやかさ。鴨川には…

無職適性

無職になるには才能がいる。悠々自適に無職になれる人間と、毎日激しい後悔をしながら無職になる人間の二種類がいる。俺は後者だった。去年の7月に無職になった。じつは結構、楽しみだった。何もしがらみがなく、ただ自由に、やりたいことを好きなだけやれる…

イラクのバグダッドに、演劇を観に行った①

「バグダッドのタハリール広場でさ、演劇やってんねやて。見に行こうや。」 確かあれは五年前の夏、京都の鴨川沿い、とある一軒家にて先輩が言い放った一言だった。 「いいすよ。行きましょう。」 あまりにも無邪気に言われたので、こう無邪気に返した。近所…

ジャージャー麺を適当に作った

恋人の家でジャージャー麺を適当に作った。 スーパーに行って具材を買ったのだけれど、タマネギを切っているときに「あ。」と思い出して、甜麺醤を買い忘れたことに気付いた。冷蔵庫を探るとしわくちゃのチューブのそいつがいて、なんとか最後の全力を振り絞…

スルッと抜ける

何かを考えるときに、スルッと抜けてしまう。 たとえば、桃を食べるか〜とかかんがえる。すると、その対象から滑り落ちるようにして別のことに思考がシフトする。目の前にバトル漫画があって、読みたいと思う。読むか、と思った瞬間に、パソコンをつけてマヤ…