ジャージャー麺を適当に作った

恋人の家でジャージャー麺を適当に作った。

スーパーに行って具材を買ったのだけれど、タマネギを切っているときに「あ。」と思い出して、甜麺醤を買い忘れたことに気付いた。冷蔵庫を探るとしわくちゃのチューブのそいつがいて、なんとか最後の全力を振り絞ったものの、大さじ一杯が限界だった。「あかん足りひん。」と言ったわけだが、彼女は「作れるやろ。」と飄々と言い放ち、スマホでサクサク調べて味噌やごま油や醤油をぶち込めば良いという情報を把握し、「こんなもんやろ。」で計量せずに味噌を入れ、「まあこんなもんやろ。」で感覚で醤油を入れ、「ほいっ」とノールックでごま油を投げ入れ、適当に煮込んでバレーボール中継とか見ながら乾麺(うどん)を茹でて、さあ食うぞという段になって味見したところ「うまい。しょっぱいけど。」とのことだった。

生姜もにんにんくも入れておらず、ノリで作ったジャージャー麺のたれは、確かにしょっぱい。けどうまい。実際にちゃんとたれが出来ているのが、すごい。前と比べると味は違うが、しいたけがムチっとしていて最高だし、まあ適当に作ったのに「はいウチはジャージャー麺です」みたいな顔して麺が横たわってるのおもろいし、それを元気に啜ってるのもなんかいい。バレーボールは日本が勝った。ジャージャー麺も食べ終わった。

無ければその場で作ればいいよな。まあ、しょっぱくなっちゃったりはするけど。

(2024/6/8)