ほどく

ほどく ほどくために、歩く。夜、23時を少し過ぎた頃、家のまわりを、あるく。ただ、あるく。ほどく。色んなものをほどくために。絡まったり、まとわりついたり、乗っかったりしたものたちを、おろす。そのために、歩く。働いているとなぜ本が読めなくなるの…

一年くらい本を読む時間が欲しいと思ったけど

じっさい一年くらい本を読む時間はあったわけだ。だが、もちろん、本を読んで英気を養っていたいわけではなく、ただそういう時間が欲しいだけで、実際与えられると、「まあ、なんだかなあ」という気持ちに、なってしまう。欲すれど、与えられた途端欲しくな…

なぜおっさんは説教をしたがるのか?

今日は会社の接待の飲みの場があり、上司、お客さん3人で飲んだ。 後半、上司の説教が始まった。そして、この人はどうしてこんなに暴言(説教の範疇を超えたシンプルな暴言も含まれていた)を吐くのだろうか、ということを考えた。 まず、40代も後半に差し掛か…

老婆の鞄から茶がこぼれた

駅のイスに座っていた。TOEICの問題集を解く。あまりにも、つまらない。砂の上でペンを走らせているみたいだ。書きつけることはできない。最初はくっきりとしていた輪郭は、曖昧になる。埋まっていく。 丸テーブル、イス、イス、イスという配置だ。ふと、老…

「コミュ力」を持て囃しても仕方がない

コミュニケーション能力が大切だとお題目のように、教育現場でも唱えられたりする。そうした能力が高い人をコミュ力お化けと呼称したりもする。特に若者の間では。 なんだか、しょうもないなあと思う。社会全体で、そんな能力を持て囃したって仕方がない。も…

誰かの言うこと聞きたくない

ヤバい、あまりにも人の言うことを聞きたくない。 もう尋常じゃない。いや、できる。愛想良くできる。イキらずに立ち振る舞える。でも、息苦しさがハンパじゃない。 フルタイムで働いていると、全然頭が回らなくなる。本はギリ読めるけど、ぼんやりとした考…

ライブに行っても記憶がない

ライブに行ってもあんまし覚えていないな。なんことに気がついたのは、カネコアヤノのビルボードライブの音源を聴いているときだった。 十二月に大阪で行われたビルボードライブ。その場に俺は居合わせており、確かにハンバーガーを食いながら一人で聴いてい…

京都は夢の国だ

今日は用事があって京都に行った。人と会ったりするために。出町柳からバスに乗って歩いたり、自転車を借りて京都駅まで漕いだ。 断言する。京都は夢の国だ。 ミニチュアのような路地。歴史を優しくサンドして立ち並ぶ街屋たち。祇園の煌びやかさ。鴨川には…

無職適性

無職になるには才能がいる。悠々自適に無職になれる人間と、毎日激しい後悔をしながら無職になる人間の二種類がいる。俺は後者だった。去年の7月に無職になった。じつは結構、楽しみだった。何もしがらみがなく、ただ自由に、やりたいことを好きなだけやれる…

イラクのバグダッドに、演劇を観に行った①

「バグダッドのタハリール広場でさ、演劇やってんねやて。見に行こうや。」 確かあれは五年前の夏、京都の鴨川沿い、とある一軒家にて先輩が言い放った一言だった。 「いいすよ。行きましょう。」 あまりにも無邪気に言われたので、こう無邪気に返した。近所…

ジャージャー麺を適当に作った

恋人の家でジャージャー麺を適当に作った。 スーパーに行って具材を買ったのだけれど、タマネギを切っているときに「あ。」と思い出して、甜麺醤を買い忘れたことに気付いた。冷蔵庫を探るとしわくちゃのチューブのそいつがいて、なんとか最後の全力を振り絞…

スルッと抜ける

何かを考えるときに、スルッと抜けてしまう。 たとえば、桃を食べるか〜とかかんがえる。すると、その対象から滑り落ちるようにして別のことに思考がシフトする。目の前にバトル漫画があって、読みたいと思う。読むか、と思った瞬間に、パソコンをつけてマヤ…

言葉を写し取る感覚

何かを書いたり、喋ったりするとき、自分の前に膜があって、その上にマッピングしている感覚がある。 これを言い表すのは非常に難しい。何か言いたいことがあったとき、外堀から埋めるようにしてブロックとして言葉を配置する、みたいな感覚。その、膜がピン…

ゲストハウスに住んでいる

ゲストハウスに住んでいる。一週間になる。 昔、というか約一年ほど前までは旅することが好きだったので、ドミトリータイプのゲストハウスによく泊まっていた。二段ベッドで、他の人と相部屋の、貧乏旅行でよく見るあれだ。泊まる度に、その緩さにどっぷり浸…

クソチャラい歯医者に歯を抜かれるかもしれない

「や、抜くしかないっす」 頭がチリチリで、髭が汚く生えた「先生」は俺にそう言い放つ。俺が横たわるベッドの頭の部分を、何の断りもなく「ガタン」と下げて、ヒ〜と一瞥して、そう言い放った。レントゲンとか何も見てない。撮った意味あるのか?大体、歯科…

森、道、市場2024 ーカネコアヤノー

カネコアヤノのことを知ったのは、たしか2019年の夏だ。イラン留学から帰ってきて、冷房の効いた部屋で適当にYouTubeを流し見ていた。そこで、2018年の「森道」でのカネコアヤノのライブ映像を観たのが、初めてだった。 最初はちょっとイケ好かないと思って…

物運んでばかりの人生

めっちゃ物運んでる。ここ一年ずっと。 家から和歌山の宿舎に炊飯器やら大量の荷物を運んだ。そこから一週間足らずで、そこから全部荷物背負って大阪まで運んだ。そいで、そっから借りてるホステルまで一部荷物運ぶ。そんで、またそこから実家まで荷物運ぶ。…

推しってなんやねん

推しってなんやねんって思う。物陰から隠れて、好きな人のこと見守ってます、みたいな距離の取り方が気に食わない。 今の世の中の若い世代の、推し活とか、消費に根差した快楽摂取全般が苦手だ。もっと世界変えようとせえやと思う。上のジジイ共を舞台から引…

グッドバイ、レオパレス

新卒で入った会社を2ヶ月も経たないうちに辞めた。 今朝は人事部長との面談があった。わりかしドキドキしながら、オフィスの前に行く。でも、別に煮たり焼かれたりするわけでもねえしな、と思い直す。朝、掃除をして朝礼を終える。これが最後の掃除と朝礼か…

書くこととで輪郭が保たれる

書くことで輪郭が保たれる。いや、書くことのみで自分の枠組みが確定される。 ボーッとする。どんどんよくわからない考えが生成される。大体、そこにズズズ、と引き摺られる。その後、身体と意識が離れていく感覚になる。どんどん脳内だけが加速していく。身…

サーキュレート

自分のサイクルが段々と分かってきた。 4月→元気/新しいことをやり出す 5月→普通 6月→まあ普通 7月→やってたことをいきなり辞める 8月→辞めたてだから超元気になる 9月→元気なくなってくる 10月→マジで身体が重くなる 11月→カス 無 12月→年末の浮かれムード…

さびしくない カネコアヤノについて

カネコアヤノ『さびしくない』のMVを見た。 世界がひっくり返る。息ができない。ドキドキドキドキドキドキが止まらない。ずっとドキドキドキドキドキドキドキドキしている。 カネコアヤノの乱れた前髪。歪みまくったギター。身体がズタボロになる。 好き?気…

ハイエースでマネージャーが死んだように眠っている

ハイエースの運転席で、マネージャーが死んだように眠っている。 俺はハイエースに乗っている。なぜこんな早朝にハイエースに乗っているのか。理由は不明だ。俺は今和歌山にいる。朝5時にハイエースに乗って出発した。そして今は山の中にいる。 隣で、インド…

『さびしくない』

朝。カーテンを開けていた。だから、日光が直接顔にかかる。 研修旅行、二日目。絶対に寝坊ができない。スマホのアラームを四つ連続でセットして、モーニングコールの設定も完了。カーテンも開けておく。執拗なアラームとモーニングコールと日光。 これで起…

ま、ええかと思えるようになった

「限界まで追い込まねばならない」 「やれる限りやらねばならない」 こうした言葉で、今まで自分をやたらと追い込んできた。しかし、最近は全部「ま、ええか」である。 オンラインで申し込んだバイトを限界までやり込んで身体が動かなくなった。 自分で始め…

洗濯機みたいな揺れー屋久島からトカラへー

鹿児島の南、屋久島から船でトカラ列島へ行った。デカいフェリーが火災により使用不能になり、小型船の臨時便にて出発。俺を除いて乗客は五名しかいなかった。船は小さい。よくある漁船くらいのサイズ感。船長さんが「今日は揺れるよ〜。」と明るく忠告して…

大分県 中津の料理屋 五百円の定食

中津の料理屋。十二時頃から約一時間滞在したものの、誰ひとり入ってこない。客は俺だけだ。今日は風が強く、列車も遅延運休が続いていたのだが、風でドアがバタバタと動く。客が来たかと思えば、ただの風の仕業だ。 定食、なんと五百円!ホワイトボードでニ…

日記 3/11

飲み会の場所を勘違いして、新宿に宿を取ってしまった。チャリを漕ぎ終えたあと、即高校の頃の同期四人で集まって飲んだ。そのうちの一人は一緒に漕いだ同志だ。他の二人と会うのは実に二年振り。しかし、つい最近会ったばかりかのような錯覚を覚える。落ち…

カネコアヤノのレコードが届いた

あの日の、夏の野音の記憶がありありと蘇ってくる。夏。今から半年以上前は夏だったのか。信じられない。あの、夏。七月。セミがジリジリと鳴いていた、野音。ライブと共に陽が落ちていく。曲と曲の間に空白を、自然の音たちが埋めていく。曲の途中、ふと空…

漕ぎ終えて

大阪から東京までロードバイクで行った。 本当は24時間以内に行きたかったけど、結局3日かかった。悔しい。友達3人と出発したけど、あと2人は色々とトラブルに見舞われ、結局夕方に東京に着けたのは俺だけだった。集団で達成する喜びを味わえなかったのも悔…