日記 11/11

起床。7:30に食堂でメシが配られるので、土日だろうがお構いなく7時には起きる。寝坊したらメシが食えなくなってしまうので。京都でだらけていたときからは考えられないほどの、健康生活。だって明日日曜も朝7時に起きるんだぜ。信じられん。まあでも、これがいいのだ。

 

そして、毎日白湯を飲む。中国では冷水を飲む文化がない。「日本人って氷入れた水飲むんだろ?ありえん!」と、同年代の兄ちゃんに言われたことがある。それくらいみんな白湯を飲むし、部屋には給湯器がある。温度も37℃から85℃まで設定可能。なぜスタートが37℃なのかは謎だが。人肌と同じだから?恐らく粉ミルクのためにあるのだろう。哺乳のため。人間は哺乳類なのだな、やはり。

 

朝飯はいつもお粥とナン。ナン、といっても説明がむずい。まあ中国来て食え。シェフは俺のことを多分いまだにプロレスラーか何かだと思っているのな、よそってくるメシの量がやたらと多い。ナンも2枚もあり、毎度胃がもたれるが「負けたくねえ」と思いつつ毎日完食している。来た初日は目玉焼き4個も渡されて笑った。負けたくないので全部食った。

 

部屋に戻って、中国例文の音読。まあ、飽きる。例文ってマジおもんないよな。もっとヘンテコなやつにしろよ、楽しいし、とは思うが、あんまりにヘンテコすぎるとただ文法が完璧でヘンテコな内容を話す奇人が生まれてしまうので、真面目に作らざるを得ないのだろう。難儀だ。

 

飽きて、本を読む。アメリカのキリスト教原理主義についての新書。飽きて、競馬予想。予想終えて音読。なんだかヘンテコな土曜の朝だ。そして、負け。まあ仕方がない。競馬は負けたときに堪えること、そしてまだ未来があることを教えてくれる。音読。もうひとレースやり、負け。クソが。もう一生やらんわ。競馬引退。

 

オフィスに行って、HSK(中国語の技能検定。TOEICみたいなやつ)の問題集をやる。飽きる。ちょうど昼飯になったので、食堂で飯を食う。エンドウとキャベツ炒め、謎の変な色した鶏肉、骨ばっかの鶏肉、白米にスープ。盛りだくさんでうまい。しかし鶏肉はなぜこんなに骨しないんだろう。毎度、食べるたびにガリガリに痩せ細ったニワトリに想いを馳せる。

 

帰って、カフェに行くかと思ったがスマホの充電ないので充電しつつ昼寝。しようと思ったが、だらだら香港について調べる。香港行くので。とりあえずひとめっちゃ多いことはわかった。まあなんか街歩きまくって夜景見ときゃいいんだな、て感じだ。楽しみ。

 

寝て起きたらほぼ15時。服着て外出、外寒い。カフェでラテ頼んで勉強。目の前に男1人と女2人のグループがいて、謎に喧嘩している。聞き耳を立てるのでいいリスニング練習になる。勉強はやや捗る。中国語、結構わかってきたな。

 

それで、問題集の長文問題で11/11は独身の日で、中国では毎年ネット通販でセールが行われる、という内容に出くわす。今日じゃん!

こうしたちょっとした奇跡みたいな瞬間をおれは愛している。そろそろ晩飯の時間なのでエスカレーターを降りて、帰路に着く。

 

晩飯は肉まん3個とニンニク3個。交互に食うと結構うまいので、みなお試しあれ。551のからしの代わりに今度ニンニク食ってみよう。でも、あれには合わんかもな。こっちの肉まんの生地は一切甘くないので。

 

滞在もあと1週間。来週の土曜には青島だ。日本に帰ってからは旅に出ないと決めているし、そもそもやるべきことが山積している。残されたわずかな自由を満喫しよう。

 

ひとまず、香港が本当に楽しみだ。ああいった混ざり合いの土地には惹かれる。近年の政治状況を見ると暗澹たる気持ちにはなるが、ひとまず現地を見ないことには始まらない。世界の全てを見尽くしたい。やりたいことは全部やりたい。生まれてきたのだから、あとは魂の赴くままに生きるだけだ。行きたいときに行きたいところへ行き、思いついたことはやってみる。同語反復的な生を生きるしかない。ただ、与えられたものを生きる。いまだけを考えれば全ては永遠に続いていく。

 

ただ、そのための下準備が必要だ。やや、苦しいが、未来を信じてただ進むしかない。明日も7時に起きて、粥とナンを食う。毎日ちゃんとメシが食えて幸せだなあ。

 

(2023/11/11)