大分県 中津の料理屋 五百円の定食

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中津の料理屋。十二時頃から約一時間滞在したものの、誰ひとり入ってこない。客は俺だけだ。今日は風が強く、列車も遅延運休が続いていたのだが、風でドアがバタバタと動く。客が来たかと思えば、ただの風の仕業だ。

定食、なんと五百円!ホワイトボードでニョロニョロと、小さく書かれた「日替わり」メニューがずらり。魚の唐揚げを注文。

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丸々一匹!?五百円!?おばあちゃんが一人だけでやっている店。テレビ台の下に雑誌が整然と並べられており、暇つぶしに読む。そして、美味い。めちゃくちゃ美味い。五百円か…。お婆ちゃんがひとり…。色々と察するものがある。俺も飲食店やってたわけだし。こんなんほぼ儲けゼロやな。

目の前にショーケースがあり、アサヒのビールの大瓶と小瓶がこちらを睨む。^_^^_^

葛藤。約十分は悩んだ。いや、昼からそんな…。こんな大分の味わいしかねえ定食屋で、昼から一人でビール?孤独のグルメでも気取っているのだろうか。いやはや…。

というわけで、小瓶を注文。これがビックリするくらい美味い!ヤバいな、ハマってしまうぞ。こう、発酵させた麦汁を飲んでいる、という感覚がメラメラと湧いてきて、身体が原初の喜びを感じている。人類が初めてアルコールを口にしたとき、おそらくこういう感慨だったのだろう。

 

お会計。俺は千円札を白髪の老婆に手渡す。半分酩酊状態で、百円玉を受けとる。酔いのせいではない。これは現実だ。定食を食いビールを飲み、百円が返ってくる。お釣りの到来。遥か彼方からの、到来。

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「大師食堂」

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(2024/03/20)