2024.3.2
今日もロードバイクを探す。サイクルショップのホームページを表示。心を無にして、ひたすら電話をかけまくり呪文のように欲しい自転車のスペックを唱える。おれは意外とテレアポとかできるかもしれない。お店のテナント探すときも、心を無にして不動産屋に凸しまくった。三十件は行ったかなあ。こういう脳筋プレイ、嫌いじゃない。
しかし、まあ結局保管場所の関係でレンタルすることにした。色々とアドバイスくれたみなさま、感謝。
寒々しい公園でずっと電話かけてたんだけど、流石に疲れて隣にあるお茶専門を謳うカフェに行った。店長さんがお茶のプロで、入るなり「はじめてですか!サービスしちゃいます!」と言われ、お茶を試飲させてくれた。アッサムかハーブティーがベースらしく、そこにタロイモとか乗ったりしていてめちゃくちゃおもしろい。最初はご飯だけ食べる予定だったんだけど、試飲したアッサムがマジで美味かった。自分も昔インド直輸入のアッサム使っていて、「俺の淹れる紅茶がどの喫茶店よりも美味いな。」とか思っていたのだが、やはりガチ勢には勝てない。ここのアッサム、まず香りが爆発している。こんなに強烈な香りがするのか、と思わされた。やはり高級な茶葉を使っているらしく、淹れ方も「そんな方法が!?」というビックリするものだった。やはり、ここはスタンダードなミルクティーということにした。
美味い。うん、うまい。そしてカレーも美味い。スパイスがパキッと効いている。「ここのメニュー全部食べてください!すげえこだわってるんで!」良い。このカラッと晴れた商売っ気。やっぱ、人間関係って基本的に湿っぽいわけで、こういう損得で結びつけられた、乾いて晴れたつながりってすごくいいなと思う。いいものを作ったから売りたい!買ってほしい!ここにある無邪気さよ。
商売っ気は人を健康にして解放する。
「一茶一会」https://maps.app.goo.gl/1j4orA5J96frZzg99?g_st=ic
そこから、ウインズ後楽園へ。
この時点では新車のロードバイクを買うか中古か、レンタルかで迷っていたので、
「ん?今日は中山競馬場でオーシャンステークスあるじゃん!」
→「ん?まてよ競馬で当てて10万くらいがっぽり勝てば新車のロードバイク買えるんじゃ…?」
結果、ボロ負け。
(12R後。どことなく背中に哀愁が…)
もういい。脳みそが機能を停止した。アワ、アワ……。ひとまずなんか食うか。
ここで蘭州ラーメン。前からずっと食べたかった。中国に滞在していたときから気になっていたし、周りの人間も「美味い」と言っていた。
そして、やはり美味かった!なんだろう、スープは淡白っちゃ淡白なんだけど、旨味がギッシリ詰まっている。麺も小麦の風味が凄い。いや小麦じゃないかもなんだけど、「ナマ」感がある。素材がダイレクトにクるかんじ。そうだな、蘭州ラーメンは素材のうまみの単純な掛け合わせなんだ。別にハーモニーとかなくたって。うん、うまい。みんなもぜひ。
あと麺の太さも変えられる。凄い。ちなみにこれより太くできるし、替え玉は無料だった。
「花臨蘭州牛肉麺」https://maps.app.goo.gl/r2gUr4qo9Lu7wooHA?g_st=ic
歩いているとコーヒー屋に出くわした。挽かれた豆から漂う強烈な香り。樹液に群がるカブトムシの気持ちがよくわかる。吸い寄せられて、一杯。ジャズが爆音で鳴る。正直うるさかったが、アドレナリンが出るのか、意思決定がサクサク進む。そう、ロードバイクをどの手段で手に入れるのか。ノートを出してメモを書いて整理する。サラサラ〜。紙に書くと、元気が出る。紙の肌触り、ペンの音。目の前に物質ができる。自分の手の中から生命体が生まれる。生殖にも似た、そんな喜び。そして入店から三十分後には閉店時間だったので、「閉まるまでに」という意識が強烈に働き、その中でジャズの轟音。カフェインも入ってトリップに近くなる。コーヒーを啜りきって、結論は出た。色々とややこしいのでハッキリは書かないが、まあ新車は買わないことにした。やはり、チャリと登山は両立できない。今年は山に専念する。新品と中古の折衷案。ひとまず、漕ぐぞ。
そこからホテルを調べるも、どこも高い。土曜だもんね。なんとかお手頃なホテルを見つける。地下鉄に乗る。ホテル近辺の雰囲気はこれまた、良い。Google MAPを見ながら彷徨う。すれ違った外国人もGoogle MAPを見ながら迷っていた。われわれは巨大IT企業に翻弄される子羊なり。
そこから、人生で初めて浅草に行ったんだけどもう街の雰囲気がめちゃくちゃ楽しい。「江戸」「東京」って感じがプンプンする。関西では絶対味わえないね。
今回はじめてまともに東京を巡ったけど、無機質なコンクリートジャングルなどではなく、駅毎に特色と歴史が存在する、楽しい街であるなという初感。昼間にきちんと観光したいな。
そして、「浅草薬酒バー」というところに行った。ここがマジで楽しかった。飲んだことのない、薬酒というモノがたくさんある。もう全部未知の世界で、何から何まで初めての味。こんな楽しいことってあるのか!やはり、ニンゲンはドンドン知らない世界を知っていくべきなのである。だってめちゃ楽しいから。しかし、雑居ビル三階のバーなんて、昔は絶対一人では行けなかったけど、かなり怪しい雰囲気かつ木造一戸建ての二階にある店を自分でやってしまったので、あまり抵抗がなくなってしまった。
やはり、店というものは良い。それぞれの思想がある、島なのだ。店という独自世界が広がり、その雑多と喧騒こそが世の中の豊かさを支えている。店という存在は豊かさというものを物質・空間として規定しているのだ。やはりサイコーだな、おれは絶対老後にまた店をやろうと思った。人生のラストは、自分の今までのありったけをぶつけた空間を作って終えたい。チョー幸せじゃん。
だって、自分の全て、人格や思想全てを空間にできるんだぜ?その中にリアルな他者が来て、楽しんでくれるんだぜ?究極の自己肯定なんですよね、好きなように店をやるってのは。
まあ、でも一旦は他にも色々やるしかねえな。正社員まで一ヶ月を切る。この三月、どこまでやれるか、だ。
(2024.3.2)