2024-07-01から1ヶ月間の記事一覧

音が消える

書くときだけ音が消える。どんな雑踏も。どんな記憶も。全部過ぎ去っていく。全てが今になる。 書くときにだけ、音が消え去る。イマの鼓動だけが聞こえる。そういうとき、やはり生きているんだなと、感じる。書くときには音が消えるから。自分だけが動いてい…

音楽は流しっぱなしだ

音楽は常に流しっぱなしだ。たとえば、部屋で音楽を流していて、風呂に入るとする。流すものはとんかつでもさとのとんかつでも、とさのもんかつでもいいのだが、流しっぱなしにしておくものなのだ。切ってはいけない。どこかで音が響いている。聞こえていな…

歯を抜いた

上の親知らずを抜いた。結局、昔から行きつけの歯医者で、抜いた。気軽にスポッと抜けた。「足折れんくてよかったですね。」医者がそう言う。どういうことかというと、普通親知らずの根っこの部分は1本ないし2本なのだが、俺の親知らずは4本脚だったらしい。…

ほどく

ほどく ほどくために、歩く。夜、23時を少し過ぎた頃、家のまわりを、あるく。ただ、あるく。ほどく。色んなものをほどくために。絡まったり、まとわりついたり、乗っかったりしたものたちを、おろす。そのために、歩く。働いているとなぜ本が読めなくなるの…

一年くらい本を読む時間が欲しいと思ったけど

じっさい一年くらい本を読む時間はあったわけだ。だが、もちろん、本を読んで英気を養っていたいわけではなく、ただそういう時間が欲しいだけで、実際与えられると、「まあ、なんだかなあ」という気持ちに、なってしまう。欲すれど、与えられた途端欲しくな…