捨てる

大量のものを捨てた。店を閉じるからだ。

 

コップ、いつか使うと思っていたレモン絞り、未開封のコーヒー豆、謎の電子機器、大量の洗剤、大量のスポンジ、捨てていいか迷う書類…

 

全部捨てた。迷わず。迷っていられないから。2日後の朝9時には物件を引き渡さねばならないから。

 

まさに、今の自分だな。そう思った。いつかやる。いつかできる。いつかどうにかする。温存。無限の先送り。でもそんなこと言っても、どんどんゴミが溜まるだけだ。どうしようもない。

 

断捨離的な、至極平凡なことを言っているみたいだけれど、その効果を初めて実感した。抱えていては歩けない。モノの引力。デカい穴は僕の精神性がそのまま出ていたのかもしれない。

 

明日10時にビールサーバーは撤去される。最後の生ビール。だんだん、実感が出てきた。ような。気がするだけなのかも。

 

もっと、眩しくて、締め付けられるような夏になるかと思っていた。そんなことはなく、じめじめと、ただダラダラと。劇的なことはなくて。ただ、続いていく。

 

2年と5ヶ月。まあ、長い。サーバー撤去、冷蔵庫搬出、その他諸々。たぶん、7月以降もじっとり、そこはかとなく日々は続く。でも、これからはもっと荷物を下ろす頻度をあげようと思う。

 

また、背負いたいときに背負えばよい。

(2023/7/3 3:33)