那覇② - 沖縄市、コザ

前回

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3日目。那覇から北上して、沖縄市へ向かう。

 

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バスに乗って沖縄市へ。目的はライブ。この世で一番好きなアーティスト。バスから降りると、早速よさげな定食屋が。「ゴーヤチャンプルー定食」など、沖縄料理がたくさんあったが、逆張り精神が発動して「へちま味噌煮定食」をオーダー。

ちょろっとヘチマ入ってるくらいかと思ったら、恐らく丸々一本分の大量のヘチマで埋め尽くされていた。てかヘチマ、意外と食ったことないし、うまい。昨日は脂まみれだったから、ハラの調子が良くなった。気がする。

 

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あとはぶらぶらコザを歩く。雰囲気が落ち着いていて結構好きかも。ただ、なんというか、ヨソモノが表面だけ掬って消費してはいけない感じというか、堆積したものを感じる。

 

テーブル席がゲーム筐体になっている喫茶店でタコスを注文。すると、「キープの方が来られたのでお席移動願えますか?」と言われ、移動。俺が座っていた席でおっちゃんがずっとピコピコ花札を始めていた。「キープ」はよくわからんけど、バリバリ稼働しているゲーセンと喫茶店が合体した感じで、非常に良い。

 

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そして、この旅唯一のビジホ。建物全体が重厚かつ贅沢なデザインが施されていて、非常に良かった。ビジホ、というよりひと昔前の、ちょっとしたリッチなホテル、という佇まい。

 

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ミュージックタウン音市場。思い出は俺だけのものにしたいので、ノーコメント。わはは

 

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帰り、通りを歩く。度肝を抜かれる。どこまで行っても、アメリカ。米軍人向けの店が並んでいるらしい。看板は英語ばかり、客もほとんどが外国人。ネオン。爆音の音楽。暗い店内。そんな店が、何軒も何軒も並ぶ。たまげた。こんな風景が日本で広がっているのか。喫茶店で読んでいた現代沖縄史の内容を思い出す。この風景をどう受け止めていいのか、わからない。「ディープスポット」。そんな受け取り方は違うとも思う。そもそも、歴史の堆積を「ディープ」とまとめてしまう物言い自体、あまり好きではない。

歩いて行くと、急にネオンが途切れ、闇が深くなる。公園。幹線道路。歩くと、マクドナルドのサイン。ふらり、中に入る。人はあまりいない。ドライブスルーが主体だからなのかな?でも、店内はかなり広くて、テーブル席がひしめきあっている。関西でここまでの規模の店舗は見たことがない。気がする。

ここのマクドはひと味違っていたりするのだろうか、なんてことを考えていたが、至って普通。普通にテリヤキ。それはそうか。だだっ広いテーブルのなか、ひとりハンバーガーをむさぼる。

コザ。昼間はあまり人通りがない。那覇とは全く異質の空気。ネオン。少し寂しい雰囲気。商店街を歩くと、日本人ばかりがいる居酒屋があった。棲み分け、のようなものなのだろうか。たとえば棲み分けのようなものがあるとして、みなどういった感覚で過ごしているのだろう。特に気にせず、ほとんど無意識に行なっているのだろうか。そこら中に音楽が溢れ、ビートが刻まれる街。でも、そのビートに素直にノッていいのか、わからない。コザについて調べる。「コザは米軍人が多く、ライブハウスでも不満があるとゴミを投げつけられていたから、本場の本物のロックが育った!コザは音楽の街だ!」そう解説する記事。首を傾げる。本場のロックが育った。手放しで褒められるのだろうか。ゴミを投げつけられるような厳しい環境で"鍛えられた"。そうなのか。それは、鍛えられた、ということなのか。

 

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この街のことを一体どうやって理解すればいいのか、わからなくなった。ハンバーガーを食べおえ、そそくさと店を出る。ファミリーマートオリオンビールを買う。プレミアムって付いてるやつ。どうせならね。蒸し暑くて、ダラダラと汗が出る通りを歩きながらビールを飲む。全部がダラダラと。車はひっきりなしに通って。

 

ホテルの机。せっかくある机。何かやるか、と思ってメモにやりたいことを書き殴る。閉塞感。

 

どうやって生きていけばいいのだろう?漠然とやりたいことはあるが、どう具体化すればいいのだろう?自分をバラす。そのつもりで、店を閉めたあとは過ごすつもりだった。色んなところに行きまくって、発散させまくって、徹底的にバラバラになる。バラしたあとで、また組み立てる。魂の洗濯。

 

そのつもりだったけれど、ずっと凝り固まる。ゴリゴリ。延長。そう、ここは京都の延長。心はそう容易く切り替わらないのだ。

 

ふかふかで、広くて、寝心地がいいはずのベッド。広さを持て余しながら、感情もどこにやればいいのか迷いながら、眠りについた。 

 

(つづく)