大回り乗車

気が狂いそうになった どこかに行かないと、

気が狂いそうだ

 

きっぷをか買って電車に乗った これでひとまず狂わずに済んだ 

 

電車はいくらでも俺の身体を引き離してくれる

 

 

引き離し続けて、くれる

 

 

どこかに降り立たなくとも、ただ鉄でできた移動体に乗って、たまに寝たり、ウダウダ考えごとをしたり、スマホをいじったり、考えたりするだけで、俺は生まれ変わった 泡がとれた 悪い、泡が取れた

 

ナン百キロの移動もただの一瞬で終わる。事務的な乗り換えと着席の連続で、終わる。高度に機械化された、移動。世の中はやはり進んでいるのだ。人間に生まれた喜び。この時代の快楽。

 

毎日毎日悩みが尽きないが、どうしようもないし適当にもがきながら生きている。来年からは大学に戻れるだろうか。全部夢のまま、終わったりしないだろうか。今は、なんとなく雪を見たい。

 

そんな気分だ。

(2022.2.3)